光のもとでⅡ
料理は若槻の家にいたとき必然と身についたものだ。
あのときは誰と一緒に食べることもなく、ただひとりで食べていた。まずいよりは美味しいほうがいいから――そう思ってある程度の工夫はしたけど、ひとりで食べるご飯は味気なかった。
こうやって喜んでくれる人がいると嬉しいと思う。単なる雑炊でも、みんなが喜んで食べてくれると、それだけで美味しいものに見えてくる。
それはリィたちと暮らし始めて割とすぐに感じたことだけど――今改めて、こんな笑顔を見られるのなら、俺のしてきたことに意味はあったのだと思えた。
食後のコーヒーを飲んですぐに城井の家を出た。次に向かうは御園生の家。
行きにスーパーに寄ってから向かったこともあり、対面の時点で不思議な空気が漂っていた。
「翠葉ちゃんも蒼樹くんも碧さんもいらっしゃい! ……あなたが、唯芹くん?」
「はい」
緊張しているのに、碧さんにずいずい、っと前へ押し出される。
あのときは誰と一緒に食べることもなく、ただひとりで食べていた。まずいよりは美味しいほうがいいから――そう思ってある程度の工夫はしたけど、ひとりで食べるご飯は味気なかった。
こうやって喜んでくれる人がいると嬉しいと思う。単なる雑炊でも、みんなが喜んで食べてくれると、それだけで美味しいものに見えてくる。
それはリィたちと暮らし始めて割とすぐに感じたことだけど――今改めて、こんな笑顔を見られるのなら、俺のしてきたことに意味はあったのだと思えた。
食後のコーヒーを飲んですぐに城井の家を出た。次に向かうは御園生の家。
行きにスーパーに寄ってから向かったこともあり、対面の時点で不思議な空気が漂っていた。
「翠葉ちゃんも蒼樹くんも碧さんもいらっしゃい! ……あなたが、唯芹くん?」
「はい」
緊張しているのに、碧さんにずいずい、っと前へ押し出される。