光のもとでⅡ
 たぶん、「一般的」と言われるのは城井のおじいさん。歩み寄る努力をすることで徐々に家族なっていく。そういう方法がごく一般的だろう。でも、大樹さんは違う。話さなくても、何を語ろうとしなくても、態度だけで俺を受け入れてくれたことがわかる。
 すごい……。こんな人が俺のおじいちゃんになってくれるんだ……。
 心という入れ物に、「幸せ」という液体をひたひたと注がれるのを感じていた。

 前日からフルに動いていたこともあり、リィの体力を考えて夕方前に御園生の家を出ることになった。
 最後は大樹さんがコンデジを持ち出し、家の前で家族写真を撮ることに――。
 ただ、この場合誰かが撮れば誰かが欠けた写真になるわけで、七人全員で写ることはできない。そこでリィが動いた。
「おじいちゃん、褒めて? 私、今日三脚持ってきてるのよ」
 リィのボストンバッグからは仰々しい三脚が現れた。そして、カメラのセッティングはリィが自ら行う。
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