光のもとでⅡ
藤の会
Side 翠葉 01話
私は今年初めて、藤山で行われる園遊会「藤の会」に出席する。
朗元さんからいただいたネックレスと手ぬぐいが招待状兼通行証となると聞いていたけれど、それ以上のものが四月末に届いた。
私には振袖一式、蒼兄と唯兄には紋付袴一式。それらを前に呆然としたのは言うまでもない。
朗元さんから送られてきた振袖は紫紺に近い紫色が使われており、金がふんだんに使用された花の御所車などが描かれている。袋帯も金銀の刺繍が煌びやか。柔らかな生地の帯揚げには色鮮やかな黄緑。それに合わせた黄緑と赤の紐を絡めた帯締め。半襟には繊細な藤の刺繍が施されており、振袖の中に着る長襦袢も上質な絹でできていた。
「この振袖は総絞りね……とても値の張るものだわ」
お母さんの言葉にいくらくらいするものなのか、と考えてみたけれど、私には全く見当もつかなかった。
桐の小箱には、藤の花の髪飾りが入っていた。七五三のときに使った簪よりも少し大人っぽいデザインのもの。バッグも草履も品のいい優しいゴールドに統一されている。
朗元さんからいただいたネックレスと手ぬぐいが招待状兼通行証となると聞いていたけれど、それ以上のものが四月末に届いた。
私には振袖一式、蒼兄と唯兄には紋付袴一式。それらを前に呆然としたのは言うまでもない。
朗元さんから送られてきた振袖は紫紺に近い紫色が使われており、金がふんだんに使用された花の御所車などが描かれている。袋帯も金銀の刺繍が煌びやか。柔らかな生地の帯揚げには色鮮やかな黄緑。それに合わせた黄緑と赤の紐を絡めた帯締め。半襟には繊細な藤の刺繍が施されており、振袖の中に着る長襦袢も上質な絹でできていた。
「この振袖は総絞りね……とても値の張るものだわ」
お母さんの言葉にいくらくらいするものなのか、と考えてみたけれど、私には全く見当もつかなかった。
桐の小箱には、藤の花の髪飾りが入っていた。七五三のときに使った簪よりも少し大人っぽいデザインのもの。バッグも草履も品のいい優しいゴールドに統一されている。