光のもとでⅡ
五月七日、藤の会当日――。
マンションのロータリーで待ち受けていたのはハイヤーだった。びっくりしながらもそれに乗り込み、私たちが向かったのはウィステリアホテル。
マリアージュで髪の毛のセットと着付けの予約をしてあるのだ。
お父さんたちは着付けをしてもらうだけ。私とお母さんはメイクから髪の毛のセット、着付けまでのフルコース。
支度はメイクから始まったものの、ベースメイクはパウダーをはたいてチークを乗せただけ。アイメイクは淡いピンクのアイシャドウを乗せたあと、アイラインを引かれマスカラをつけられた。メイクの効果とは絶大で、いつもよりも目が大きく見える。そして、唇には真っ赤な紅を引かれた。
こんなにはっきりとした色を唇に乗せるのは七五三以来。鏡に映る自分があまりにも見慣れない様相をしていて違和感を覚える。
「翠葉お嬢様、とてもおきれいですよ」
園田さんが声をかけてくれたけれど、
「本当ですか……? 唇、浮いてないですか?」
「着物を着るときは少し派手な紅を引くくらいがちょうどいいんです」
そのあと髪の毛もきれいに結ってもらい、朗元さんからいただいた髪飾りをつけてもらった。
マンションのロータリーで待ち受けていたのはハイヤーだった。びっくりしながらもそれに乗り込み、私たちが向かったのはウィステリアホテル。
マリアージュで髪の毛のセットと着付けの予約をしてあるのだ。
お父さんたちは着付けをしてもらうだけ。私とお母さんはメイクから髪の毛のセット、着付けまでのフルコース。
支度はメイクから始まったものの、ベースメイクはパウダーをはたいてチークを乗せただけ。アイメイクは淡いピンクのアイシャドウを乗せたあと、アイラインを引かれマスカラをつけられた。メイクの効果とは絶大で、いつもよりも目が大きく見える。そして、唇には真っ赤な紅を引かれた。
こんなにはっきりとした色を唇に乗せるのは七五三以来。鏡に映る自分があまりにも見慣れない様相をしていて違和感を覚える。
「翠葉お嬢様、とてもおきれいですよ」
園田さんが声をかけてくれたけれど、
「本当ですか……? 唇、浮いてないですか?」
「着物を着るときは少し派手な紅を引くくらいがちょうどいいんです」
そのあと髪の毛もきれいに結ってもらい、朗元さんからいただいた髪飾りをつけてもらった。