光のもとでⅡ
 砂利の小道の両脇には、徹底したメンテナンスがされているであろう芝生が広がる。そして、桜並木のように藤が連なって植樹されていた。藤棚の下には茶席が設けられており、どの木にも豊かな房が垂れ下がる。
「お嬢さんの気持ちはどう結論を出したのかの?」
 これはいつかの話の続きだろう。
 私は自分が取った行動を慎重に言葉へ変換した。
「……ひとりを選びました。とても好きな人を……」
「お嬢さんはたくさん苦しんだじゃろう? もう、そのような顔をするでない。それに、断られようが秋斗は諦めまい」
 朗元さんの言葉に顔を上げる。
「そう言われました。それに、私はツカサを選んだけれど、秋斗さんを失うことはありませんでした」
「それは良かったと言うべきか、ご愁傷様と言うべきか。わしは少々悩むところじゃがのぉ」
 朗元さんはくつくつと笑う。
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