光のもとでⅡ
「司とはどうじゃ?」
「どうでしょう……。あまり前と変わりません。相変わらず容赦なく厳しいですし……。でも、大好きです」
 朗元さはにこりと笑みを浮かべ、
「ふたりの仲が末永く続くことを祈っておる」
「ありがとうございます」

 小道の行き止まりには大きな藤棚があった。藤棚の下には赤い布がかけられた長椅子があり、一番奥のスペースには茶席が設けられている。
 茶席にいるのは真白さんと涼先生、柊子先生、静さんのお父さん。亭主は真白さんのようだ。
 私は朗元さんに促されるまま茶席へ上がった。
 緊張しながら、茶道部で柊子先生に教えられたとおりにひとつひとつの動作をこなしていく。一時的とはいえ、このときほど茶道部に入部して良かったと思ったことはない。
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