光のもとでⅡ
この人たちは聞こえないように話しているつもりなのだろうか。それとも聞こえるように話しているのだろうか。どちらにしても、私が何を言えるわけでもない。
「翠葉ちゃん、胸を張っていなさい。今日は一段とかわいい格好をしているんだ。背を丸めていてはもったいないよ」
「……はい」
私は顎を引き、気を引き締めて姿勢を正した。
運ばれてきたデザートは果肉たっぷりのゼリーを凍らせたもの。程よく解凍されており、シャリシャリとした食感が癖になる。
「もしかして、須藤さんが作ったものですか?」
「当たりだ。翠葉ちゃんは須藤の料理が好きだろう? 今日は特別に、会長宅の調理スタッフに入ってもらっている」
またしてもざわざわとした声が耳に入ってくる。
……聞かない。聞こうとしなくていい。今、私が話しているのは静さんであり、周りの人の声は気にしなくていい――。
自分に暗示をかけるように繰り返し、静さんとの会話に意識を集中させる。
「翠葉ちゃん、胸を張っていなさい。今日は一段とかわいい格好をしているんだ。背を丸めていてはもったいないよ」
「……はい」
私は顎を引き、気を引き締めて姿勢を正した。
運ばれてきたデザートは果肉たっぷりのゼリーを凍らせたもの。程よく解凍されており、シャリシャリとした食感が癖になる。
「もしかして、須藤さんが作ったものですか?」
「当たりだ。翠葉ちゃんは須藤の料理が好きだろう? 今日は特別に、会長宅の調理スタッフに入ってもらっている」
またしてもざわざわとした声が耳に入ってくる。
……聞かない。聞こうとしなくていい。今、私が話しているのは静さんであり、周りの人の声は気にしなくていい――。
自分に暗示をかけるように繰り返し、静さんとの会話に意識を集中させる。