光のもとでⅡ
「……須藤さんにお会いすることはできるでしょうか」
「それなら、あとで司に連れていってもらうといい」
「はい。お願いしてみます」
 シャーベットを食べ終え口の中がさっぱりしたところで、
「実は翠葉ちゃんに会わせたい人がいる」
「……会わせたい人、ですか?」
「あぁ。庭園の奥にいるからそこまでご足労いただけるかな」
「はい」

 庭園の奥、というよりは外れ――人気が全くない場所に連れていかれると、東屋に秋斗さんとクリーム色の着物を着る女の人がいた。
「翠葉ちゃんも何度か会ったことのある人間だ」
 こちらを向いたその女性は雅さんだった。
 私に気づくと、雅さんは立ち上がり会釈する。その動作に少し違和感を覚えた。
 雅さんは静さんを見て会釈したのではない。私を見て会釈したのだ。
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