光のもとでⅡ
昨年の、朗元さんのバースデーパーティーで藤色や紫紺を身に着けていた秋斗さんですら、その類は身に着けていない。
そんな中ならば、紫色に煌びやかな花が描かれた振袖を着る自分は目立って当然――。
この振袖を着てきたらどんな目で見られるのか、ということはツカサから教えられていたし、先ほど雅さんにも「特別」であることは聞いていた。
今までは漠然としていた「特別」が、今、輪郭をもってはっきりと現れる。
「翠葉ちゃん、肩の力を抜こうか」
秋斗さんにトントン、と軽く肩を叩かれた。
「ほら、深呼吸して」
私は秋斗さんに促されるままに深呼吸を繰り返す。
「どこにでも面倒な人間やうるさい人間はいるんだけど、翠葉ちゃんがこの振袖を着てここへ来た意味はあるから。それだけの効果は間違いなく得られるから」
私は小さく頷いた。一度視線を落とし、極力考えないように、と会話の題材になるものを探す。
「あ、楓先生――」
右手を預けていた楓先生を見上げる。
そんな中ならば、紫色に煌びやかな花が描かれた振袖を着る自分は目立って当然――。
この振袖を着てきたらどんな目で見られるのか、ということはツカサから教えられていたし、先ほど雅さんにも「特別」であることは聞いていた。
今までは漠然としていた「特別」が、今、輪郭をもってはっきりと現れる。
「翠葉ちゃん、肩の力を抜こうか」
秋斗さんにトントン、と軽く肩を叩かれた。
「ほら、深呼吸して」
私は秋斗さんに促されるままに深呼吸を繰り返す。
「どこにでも面倒な人間やうるさい人間はいるんだけど、翠葉ちゃんがこの振袖を着てここへ来た意味はあるから。それだけの効果は間違いなく得られるから」
私は小さく頷いた。一度視線を落とし、極力考えないように、と会話の題材になるものを探す。
「あ、楓先生――」
右手を預けていた楓先生を見上げる。