光のもとでⅡ
 涼先生は庭園の一角にある小さな藤棚へと私を案内してくれた。そこは人ごみから程よい距離があり、少し気を緩めることができそう。
「今日、この場にいらっしゃったということは、それ相応の心構えをされてのことと思います。この先、嫌な思いをされることも、偏見の目で見られることもあるでしょう。ですが、御園生さんには御園生さんらしくいていただけたら、と思います。藤宮の周りには内外問わず癖のある人間が多数いますが、何を気にすることもありません。藤宮に振り回されるなどほとほと無意味ですから」
 涼先生はにこりと笑う。そのきれいすぎる笑みがあまりにもツカサに似ていて、私は涼先生の顔をじっと見ていることができなかった。
「何かありましたらいつでもご相談に乗りますので気兼ねなくおっしゃってください。私に連絡をいただいてもかまいませんが、真白さんでも義父でもかまいません。それから、藤山の自宅へもちょくちょく遊びにいらしてください。真白さんが喜びます」
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