光のもとでⅡ
覚悟を決めて、父さんの陰から翠の前へ出た。その瞬間に翠は目を見開き、華奢な指先で自身の口元を覆う。さらには、頬に手を添え顔を背けた。翠が赤面したのは明らかで、自分の頬が瞬時に熱を持ったことも紛れもない事実で……。
「お邪魔しまーす!」
突如割り込んだ声に危機感を覚える。この声はほかの誰でもない唯さんのものだ。
視線をそちらへ向けると、唯さんと御園生さんが連れ立ってやってきたところだった。唯さんはさも面白そうな顔をして、翠の顔を覗き込んで見せた。
「あーあ……リィ、かわいそうなくらい真っ赤だね?」
「だってっ――」
翠は反射的に口を開き、俺を見てわかりやすく視線を逸らす。そんな翠を見て、俺は舌打ちをしたい気分になる。
いつもの翠なら問題ないのに、今日の翠には太刀打ちできそうにない。
翠と同じように顔を背けると、
「それを言うならうちの愚息も普段より血色がいいようですよ」
父さんの言葉に殺意を覚える程度には、平然を装おうことができずにいた。
「お邪魔しまーす!」
突如割り込んだ声に危機感を覚える。この声はほかの誰でもない唯さんのものだ。
視線をそちらへ向けると、唯さんと御園生さんが連れ立ってやってきたところだった。唯さんはさも面白そうな顔をして、翠の顔を覗き込んで見せた。
「あーあ……リィ、かわいそうなくらい真っ赤だね?」
「だってっ――」
翠は反射的に口を開き、俺を見てわかりやすく視線を逸らす。そんな翠を見て、俺は舌打ちをしたい気分になる。
いつもの翠なら問題ないのに、今日の翠には太刀打ちできそうにない。
翠と同じように顔を背けると、
「それを言うならうちの愚息も普段より血色がいいようですよ」
父さんの言葉に殺意を覚える程度には、平然を装おうことができずにいた。