光のもとでⅡ
「ツカサがひとりを感じるのはどんなとき?」
「……は?」
「ツカサがひとりを感じるのはどんなとき?」
「……あまり意識して考えたことがない。……強いて言うなら、朝の道場にひとりでいるとき」
 要領を掴めずに答えると、
「私はご飯を食べるときと眠りにつくまでの時間。うちは自営業だから、ひとりでご飯を食べることはめったにないの。だから、ご飯を食べるとき、ひとりだとものすごく寂しい。それから、夜。夜って静かでしょう? 家には家族が揃っているってわかっていても、なんだかひとりのような気がして寂しくなる。小さいときは、蒼兄のベッドやお母さんのベッドによく潜り込んでた」
 最後はクスクスと笑って話す。話した内容が妙に翠らしくて、そんな状況はすぐに想像することができた。
「じーさんが翠と同じように思っているとでも?」
「ううん、そこまでは思わないけど……」
 気にはなる、か。
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