光のもとでⅡ
「そんなに気になるなら、直接じーさんに訊いてみたら?」
「んー……それはちょっと訊きづらい」
「それなら、たまにはここに遊びにくるなり泊まりにくるなりしてあげれば? じーさんは諸手を挙げて喜びそうだけど?」
「……そうかな?」
「あとで訊いてみればいい」
「……やっぱり訊けない」
「何をそんなに遠慮してるんだか……」
「だって、図々しく思えるもの」
「それを言うなら、本当の孫でもない人間に『元おじい様』って呼ばせているほうが図々しいと思うけど……」
「そうかな?」
 そんな話をしているところ、廊下から声がかかった。
 障子が開くと顔馴染みのお手伝いさんがトレイにシャーベットを載せてやってきた。配膳を済ませるとすぐに応接室を出ていく。
< 309 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop