光のもとでⅡ
 帰宅すると、粗熱がすっかり取れたフロランタンを切り分けてラッピングを施し、黒い小さな紙袋に買ってきた栞と一緒に入れる。
 さて、私はこれをいつツカサに渡せるだろう?
 明日から授業は八限までのフルコース。一年のときはお昼休みにお弁当を食べにきてくれていたけれど、それは二年になっても変わらないのだろうか……。
 そういう話をしていなかっただけに不安が残る。
 携帯にツカサの番号を表示させてしばし静止。
 電話は日付が変わるタイミングでかけたい。
 去年ツカサがしてくれたように、誕生日のカウントダウンをしようと思っていた。誰よりも先におめでとうを伝えたくて。
「……そのときに明日会えるか訊こうかな?」
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