光のもとでⅡ
人が少ない場所を選んで彼女の視線を誘導する。と、
「……私、こんなにたくさんの藤棚、初めて見ました。それに、どの藤も立派な房……」
それはそうだろう。ここの藤は庭師が徹底したメンテナンスを施している。それに、藤の名所であろうと、ここまでの敷地面積に藤を植えているところはそう多くはない。
「五百畳敷きの藤棚はどうだった?」
「とってもきれいでした。……でも、実はあまりよく見ることができなくて」
「人の目が気になる?」
「……はい」
「俺といるときは俺が護ってあげるよ」
甘く笑うと、彼女は頬を染めて俯いた。
どうやら、この笑顔はまだ有効なようだ。
「……私、こんなにたくさんの藤棚、初めて見ました。それに、どの藤も立派な房……」
それはそうだろう。ここの藤は庭師が徹底したメンテナンスを施している。それに、藤の名所であろうと、ここまでの敷地面積に藤を植えているところはそう多くはない。
「五百畳敷きの藤棚はどうだった?」
「とってもきれいでした。……でも、実はあまりよく見ることができなくて」
「人の目が気になる?」
「……はい」
「俺といるときは俺が護ってあげるよ」
甘く笑うと、彼女は頬を染めて俯いた。
どうやら、この笑顔はまだ有効なようだ。