光のもとでⅡ
日付が変わる数分前に自室で携帯とにらめっこ。五十九分になって発信。
プルルル、プルルル、プルルル――。
呼び出し音が鳴っている間はひどく緊張する。
『はい』
「あのっ――」
翠葉です、と言いそうになって言葉を呑みこむ。
『翠?』
訝しがるような声が返ってきて、トクン、と心臓が跳ねた。
録音された声じゃない。ちゃんと回線がつながっていて聞こえてくる声。
電話で話すことには未だに慣れていなくて、耳にダイレクトに届く声にドキドキする。
「ツカサ、今電話してても大丈夫?」
『問題ないけど……』
「あのね……」
ゴクリ、と唾を飲み込み懐中時計の秒針を見ていた。
プルルル、プルルル、プルルル――。
呼び出し音が鳴っている間はひどく緊張する。
『はい』
「あのっ――」
翠葉です、と言いそうになって言葉を呑みこむ。
『翠?』
訝しがるような声が返ってきて、トクン、と心臓が跳ねた。
録音された声じゃない。ちゃんと回線がつながっていて聞こえてくる声。
電話で話すことには未だに慣れていなくて、耳にダイレクトに届く声にドキドキする。
「ツカサ、今電話してても大丈夫?」
『問題ないけど……』
「あのね……」
ゴクリ、と唾を飲み込み懐中時計の秒針を見ていた。