光のもとでⅡ
 やっぱり、避けられてるんだ……。
 異変を感じ取ったのは藤の会翌週のこと。しかし、いつからかがわかったところで、どうして避けられているのかはさっぱりわからない。
 これといったケンカもしていなければ、言い合いに発展した会話もない。私は気づかないうちにツカサが嫌がることをしているのだろうか。
 思い返してみても、気づいたときには避けられていた、そんな感じだったと思う。
「避ける」といっても、会わない、電話に出ない、メールの返事がない、ということはない。生徒会では顔を合わせるし、一緒にお弁当を食べる日には食堂で一緒に食べている。そこからすると、「避けられている」というよりは、桃華さんが口にした「遠ざけられている」というのがしっくりくる。
 具体的な例を挙げると、手をつないでもすぐに離されしまったり、隣に座ったら席を立たれてしまったり、そういった些細なこと。ほかには、目を見て話す機会が減った、などがある。
 些細なことと言えど、今までとは違う行動なだけに動揺した。認めたくなくて、勘違いだと思おうとした。けれど、何度か同様のことを目の当たりにして、疑問は確信へと変わった。
 確信したけれど――確信してもなお、私は認めたくなかったのだ……。
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