光のもとでⅡ
 背中に蒼兄のぬくもりが伝いほっとする。でも、私が欲しているぬくもりは蒼兄のものではない。今、はっきりと自覚してしまった。私が欲しいのはツカサのぬくもり。でも、それがわかったところで簡単に得られるわけでもない。
「蒼兄は桃華さんにこういうことする……?」
「……しない、かな」
「もしするとしたら、どんなことが理由に挙がる?」
「んー……それは人それぞれだと思う。翠葉、少し待ってみたら?」
「待つ……?」
 蒼兄はゆっくりと頷いた。
「たぶん、何もないなら司はこんな行動には出ないと思う。それに、翠葉のことを嫌いになったなら、付き合っているっていう状況は早期に解消すると思う。それをしないのは、何か思うところがあるからじゃないかな?」
 蒼兄の意見は桃華さんの見解とほぼ同じだった。
「でも、もう二週間も経ってる……」
「んー……それなんだけどさ、翠葉にとっては『二週間も』かもしれない。でも、司にとっては『まだ二週間』なのかもしれないだろ? 答えに時間を要すこともあると思わない?」
 時間の感じ方は難しいな……。
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