光のもとでⅡ
Side 司 01話
「司、わかっているとは思うけど、もう二週間だよ。そろそろ機嫌直すなり、要因と向きあうなりしなよ」
ホームルームが終わるなり、朝陽はそう言って教室を出ていった。
次の動作に移る気を殺がれ、なんとなしに窓の外へ目を向ける。と、翠が「春庭園」と呼ぶ中庭が目に入った。
いくつかの花が咲く中、とくに目を引くのは藤棚。
大して珍しくもないそれを見てため息をつきたくなる。
機嫌が悪い原因はわかっているし、周りの人間に当たっている自覚もある。けど、どうしたらいいのかはわからないまま時間だけが過ぎ、気づけば二週間が経っていた。
藤の会で見た翠は、未だ残像となって俺を悩ませる。
日が変われば元に戻る。化粧をしていない翠なら問題はない――そう思っていたけれど、それは大きな間違いだった。
化粧をせず、見慣れた制服を着ていても、俺は翠の唇や首筋を意識してしまう。
髪を下ろしている日はまだいい。が、暑くなる日には髪を結ってくることもあり、首筋を露にする翠を直視することはできなかった。
ホームルームが終わるなり、朝陽はそう言って教室を出ていった。
次の動作に移る気を殺がれ、なんとなしに窓の外へ目を向ける。と、翠が「春庭園」と呼ぶ中庭が目に入った。
いくつかの花が咲く中、とくに目を引くのは藤棚。
大して珍しくもないそれを見てため息をつきたくなる。
機嫌が悪い原因はわかっているし、周りの人間に当たっている自覚もある。けど、どうしたらいいのかはわからないまま時間だけが過ぎ、気づけば二週間が経っていた。
藤の会で見た翠は、未だ残像となって俺を悩ませる。
日が変われば元に戻る。化粧をしていない翠なら問題はない――そう思っていたけれど、それは大きな間違いだった。
化粧をせず、見慣れた制服を着ていても、俺は翠の唇や首筋を意識してしまう。
髪を下ろしている日はまだいい。が、暑くなる日には髪を結ってくることもあり、首筋を露にする翠を直視することはできなかった。