光のもとでⅡ
Side 司 03話
「手……貸して」
俺が口にすると、翠はさらに驚いた顔をした。
考えてみれば、翠に手をつなぎたいと言われることはあっても、俺から手をつなぎたいと申し出るのは初めてのことだった。
「本当に、どうしたの?」
今度は不安ではなく心配という視線をよこす。
「いいから手」
半ば強引に翠の右手を取った。
冷たい……。
翠のことだから長時間の入浴を楽しんだずなのに、もう冷たくなっている。
「悪い……」
「……ツカサ?」
何をどう話せばいいのか――普通に、そのままを話せばいいのだろうか。
翠と向きあう。話をするとは決めてきたものの、どう話すか、という具体的なことは何も決めていなかった。
「ツカサ、何に対して謝られたのかがわからないから、許そうにも許せないのだけど」
律儀にもほどがある、と言いたくなる返答だけれど、その言葉に救われる。話す取っ掛かりができた。
俺が口にすると、翠はさらに驚いた顔をした。
考えてみれば、翠に手をつなぎたいと言われることはあっても、俺から手をつなぎたいと申し出るのは初めてのことだった。
「本当に、どうしたの?」
今度は不安ではなく心配という視線をよこす。
「いいから手」
半ば強引に翠の右手を取った。
冷たい……。
翠のことだから長時間の入浴を楽しんだずなのに、もう冷たくなっている。
「悪い……」
「……ツカサ?」
何をどう話せばいいのか――普通に、そのままを話せばいいのだろうか。
翠と向きあう。話をするとは決めてきたものの、どう話すか、という具体的なことは何も決めていなかった。
「ツカサ、何に対して謝られたのかがわからないから、許そうにも許せないのだけど」
律儀にもほどがある、と言いたくなる返答だけれど、その言葉に救われる。話す取っ掛かりができた。