光のもとでⅡ
 そんなことを考えていると、
「リィ、ちゃんと眠れてる?」
「え? どうして……?」
「目の下にクマを飼い始めて何日目かなー、と思って」
 天使のような笑顔でグサリと胸を刺される。これは言い訳無用の刑だ。
 私は言い訳を考える前に降参した。
「しばらく不眠続きです……」
「素直でよろしい。で? リィの今日の予定は?」
「午前中にお菓子を作って、時間を見てお風呂に入ろうかな。あと、今日はいいお天気みたいだからお散歩へ行こうかな?」
「あらら? 不眠続きのくせに予定ぎっしり?」
「……身体を動かしたら眠れる気がするでしょう?」
「なるほどねー。ま、あんまり無理はしないように」
「唯兄の今日の予定は?」
「天下の日曜日なんですが、非常に残念なことに上司殿に酷使される予定。今日は一日マンションにいるから、何かあれば連絡しておいで。あ、でも、連絡なくてもお菓子は届けにきてくれていいからね?」
 そんなおねだりの仕方に唯兄らしさを感じた。
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