光のもとでⅡ
 朝食を終えると、一時間と経たないうちに三人はゲストルームを出ていった。
 私はフロランタンを作る合間合間にゲストルームの掃除を済ませ、最後の焼成時間に入ると同時にバスタイムの用意を始めた。
 うっかりツカサのことを考えないように、と次から次へと違うことを考えは行動に移す。
 意地でもツカサのことは考えない。そんな意気込みでテスト用紙を持ってお風呂に入ったけれど、順調だったのは最初だけ。見直さなくてはいけない問題があまりにも少なすぎた……。
 復習が終わってしまえはツカサのことが浮上し始める。
「……考えない、って思っても考えちゃう」
 ちゃぷ、と顔の半分までお湯に浸かり、ふぅ、と細く長く息を吐き出しコポコポコポ、と音を立てる。
 考えないようにしよう、と思っている時点で意識しているし、考えているも同然なのだろう。
 こんなにも考えてしまうのは、ツカサのことが好きだから。でも、ツカサはどうなのかな……。
「まだ、両思いなのかな……」
 現状、私の片思いみたいだ……。
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