光のもとでⅡ
 箱から栞を取り出すと、「確かに持ってる」の一言。
「……ごめん。来年は喜んでもらえるものを考えるね」
「……別に嬉しくないとは言ってない」
「え……?」
「……この栞は使い勝手が良くていくつか持ってるけど、人にプレゼントされたのは初めて」
 ツカサは栞の背面を見て、
「名前やメッセージが入ってるのはこれだけ」
「……本当?」
「本当……。もし翠が俺と同じ立場だったらどう思う?」
「……嬉しい」
「……だから、ありがと」
 言ったあと、ツカサの顔が少し赤らんだ気がした。
 その顔を見て、
「お茶、淹れてくるっ」
 私は慌てて部屋を飛び出た。
 ズンズン歩いてキッチンへ入り、冷蔵庫の前に座り込む。
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