光のもとでⅡ
「悪かった……」
頭の近くにツカサの低い声が響く。
「ツカサは優しいだけだもの……」
「偏見」
「違うもの。……ツカサは知っているから……」
秋斗さんとのことを知っているから距離を置いてくれたのだ。私を怖がらせないように、と。
「……翠を不安にさせていた事実は変わらない」
とことん自分に厳しいところがツカサらしい。そんなところも大好き……。
「好き」と思うたびに心があたたかくなる。この気持ちがそのまま伝わったらいいのに――。
そんなことを考え始めたとき、今までとは反する力が加えられた。
背に回されていた腕が解かれ、ツカサとの間に三十センチほどの距離が生まれる。
たかがそれだけ。それだけなのに、身を引かれた気がして悲しくなる。
感情の振れ幅が大きすぎる。そんな状況を理解していても、ブレーキの利かない心は「嘘つき」と言葉を吐き出してしまう。
「嘘つき」なんて思ってない。ただ、もっと近くにいたいだけ。
溢れて止まない感情をどうしたらいいのかわからずにいた。
頭の近くにツカサの低い声が響く。
「ツカサは優しいだけだもの……」
「偏見」
「違うもの。……ツカサは知っているから……」
秋斗さんとのことを知っているから距離を置いてくれたのだ。私を怖がらせないように、と。
「……翠を不安にさせていた事実は変わらない」
とことん自分に厳しいところがツカサらしい。そんなところも大好き……。
「好き」と思うたびに心があたたかくなる。この気持ちがそのまま伝わったらいいのに――。
そんなことを考え始めたとき、今までとは反する力が加えられた。
背に回されていた腕が解かれ、ツカサとの間に三十センチほどの距離が生まれる。
たかがそれだけ。それだけなのに、身を引かれた気がして悲しくなる。
感情の振れ幅が大きすぎる。そんな状況を理解していても、ブレーキの利かない心は「嘘つき」と言葉を吐き出してしまう。
「嘘つき」なんて思ってない。ただ、もっと近くにいたいだけ。
溢れて止まない感情をどうしたらいいのかわからずにいた。