光のもとでⅡ
桜ストリートをすべて歩き終えたらイチョウストリート。その途中から、まだ蕾の硬い紫陽花ストリートへ変更。あちこちにあるベンチで飲み物を飲んで休憩したり。
まだ陽射しがそこまできつくないこの季節にしかできない過ごし方を楽しんだ。
「来週は蒼樹さんのお誕生日ですね」
「そういえば……もうそんな時期か」
「お誕生日当日は全国模試前で会えないのですが、六月第一週の日曜日は会えますか?」
まるで誕生日に祝えないことを申し訳なく思っているような申し出だった。
「そんなに気にしなくていいのに」
「そんなって――誕生日ですよっ?」
少しムキになって抗議してくる桃華の手を取り、
「模試明けの日曜はお祝いしてくれるの?」
「もちろんです。大したことはできませんけど……。蒼樹さんは翠葉の誕生日プレゼント、用意しましたか?」
「……実は今日、映画が見終わったら付き合ってもらおうと思ってた」
桃華はすぐに腕時計を確認する。
まだ陽射しがそこまできつくないこの季節にしかできない過ごし方を楽しんだ。
「来週は蒼樹さんのお誕生日ですね」
「そういえば……もうそんな時期か」
「お誕生日当日は全国模試前で会えないのですが、六月第一週の日曜日は会えますか?」
まるで誕生日に祝えないことを申し訳なく思っているような申し出だった。
「そんなに気にしなくていいのに」
「そんなって――誕生日ですよっ?」
少しムキになって抗議してくる桃華の手を取り、
「模試明けの日曜はお祝いしてくれるの?」
「もちろんです。大したことはできませんけど……。蒼樹さんは翠葉の誕生日プレゼント、用意しましたか?」
「……実は今日、映画が見終わったら付き合ってもらおうと思ってた」
桃華はすぐに腕時計を確認する。