光のもとでⅡ
 残りの二着は、今年の誕生日に唯兄と蒼兄がプレゼントしてくれたワンピースだった。
 唯兄がプレゼントしてくれたのは、首周りがラウンドカットでハイウェスト切り替えのワンピース。スカートの裾がチューリップのお花を上下ひっくり返したような形になっていて、遊び心のあるデザイン。けれども、生地の色がネイビーで白いパイピング、という組み合わせのため、落ち着いた印象を受ける。
 蒼兄がプレゼントしてくれたのは、白地に細いブルーのストライプが入った麻のキャミソールワンピース。ウエスト部分には、共布で作られた細いベルトがある。
「どっちもかわいくて選べない……」
 ワンピースを前に困っていると、
「どっちを選んでも文句なんて言わないよ」
 蒼兄にクスクスと笑われた。
「使う予定のバッグや靴に合わせたら?」
 唯兄に言われて、使う予定のバッグとサンダルを見てもらう。
 バッグは長方形の籠バッグ。靴は、ヒール四センチの白い皮製のサンダル。どちらも、ふたつのワンピースに難なく合わせることができる。すると、
「明日はどこに行くの?」
 蒼兄に訊かれてツカサに話したことと同様のことを答えると、唯兄が素っ頓狂な声をあげた。
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