光のもとでⅡ
 少しずつよそったおかずを食べながら、家の味付けはこれよりも甘いとか辛いとか、薄いとか濃いめとか、味付けに何が使われているなど、そんな話をしながらランチを食べた。
 ツカサは私に合わせていつもよりゆっくり食べてくれている。そんなことも嬉しくて、美味しいランチと嬉しさを噛みしめた。

 食後、お手洗いへ行って戻ってくると、テーブルに置かれていた伝票がなくなっていた。
「……ツカサ、ここに置いてあった伝票は?」
「もう支払った」
 私がバッグからお財布を出そうとすると、
「いい」
「でもっ――」
「今日は誰のなんの祝いでデートしてるんだっけ?」
「……私の誕生日、だけど」
「なら、おとなしくご馳走されて」
 それ以上は何を言わせてくれる雰囲気でもなかった。
 秋斗さんとのときは、ご馳走されることにそこまで抵抗を感じなかった。それはきっと、年の差があったからだろう。けれども、ツカサとは学年は違えど同い年だ。
 悶々としたままお店を出ると、ツカサはため息をついて私を振り返る。
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