光のもとでⅡ
「この間、高崎さんに多肉植物をいただいたの。葉が水をたくさん含んでいて、ぷっくりとした感じがとてもかわいいんだよ」
翠は本をパラパラとめくり、「あ、この子!」とひとつの植物を指差した。
「水遣りも月に数回でいいみたい」
粗方の育て方をレクチャーされたあと、
「ツカサは小さい頃からお医者様になりたかったの?」
急な話題変更に、翠が買ったもう一冊を意識する。
「物心ついた頃には医者になるものだと思ってた」
翠はクスクスと笑い、
「なりたい、を飛ばしてなるものだと思っていた、ってところがツカサっぽいね」
「翠は?」
「……悩んでる。将来の職業につながりそうな何か、はまだ見つかっていないの。お父さんたちは好きなことを勉強していいって言ってくれているのだけど、好きなことを職業にできるかはわからなくて」
「好きなことって?」
「勉強してみたいのは音楽とカメラ、あとは植物も気になってる。でも、その道の仕事に就けるかは別問題だから」
翠は本をパラパラとめくり、「あ、この子!」とひとつの植物を指差した。
「水遣りも月に数回でいいみたい」
粗方の育て方をレクチャーされたあと、
「ツカサは小さい頃からお医者様になりたかったの?」
急な話題変更に、翠が買ったもう一冊を意識する。
「物心ついた頃には医者になるものだと思ってた」
翠はクスクスと笑い、
「なりたい、を飛ばしてなるものだと思っていた、ってところがツカサっぽいね」
「翠は?」
「……悩んでる。将来の職業につながりそうな何か、はまだ見つかっていないの。お父さんたちは好きなことを勉強していいって言ってくれているのだけど、好きなことを職業にできるかはわからなくて」
「好きなことって?」
「勉強してみたいのは音楽とカメラ、あとは植物も気になってる。でも、その道の仕事に就けるかは別問題だから」