光のもとでⅡ
尋ねてくるのは身内だけ。そう思って立ち上がり、部屋を出る際に照明を点ける。
玄関ドアを開けると、思わぬ人物が立っていた。
身内は身内でも、秋兄であると誰が思おうか。
「なんの用?」
「上がってもいい?」
「今、来客中」
秋兄は揃えられたサンダルに目をやり、
「それって翠葉ちゃんじゃない?」
確信を持って訊いてきた。
「わかっているなら帰ってくれない」
「さて、どうするかな……」
何がだよ……。
「今からケーキ食べるところなんだけど」
「それ、本当?」
明らかに探りを入れる問いだった。
「おまえさ、翠葉ちゃんがバングルつけてること忘れてるだろ」
言われてはっとする。つい今しがた、翠にそれと同様のことを言われたにも関わらず、俺はスルーしていた。
玄関ドアを開けると、思わぬ人物が立っていた。
身内は身内でも、秋兄であると誰が思おうか。
「なんの用?」
「上がってもいい?」
「今、来客中」
秋兄は揃えられたサンダルに目をやり、
「それって翠葉ちゃんじゃない?」
確信を持って訊いてきた。
「わかっているなら帰ってくれない」
「さて、どうするかな……」
何がだよ……。
「今からケーキ食べるところなんだけど」
「それ、本当?」
明らかに探りを入れる問いだった。
「おまえさ、翠葉ちゃんがバングルつけてること忘れてるだろ」
言われてはっとする。つい今しがた、翠にそれと同様のことを言われたにも関わらず、俺はスルーしていた。