光のもとでⅡ
「……いいえ。あのときも、怖い人ではないことはわかっていました」
「今と何が違うの?」
「……何が苦手なのか明確になったから、でしょうか?」
「何が苦手だったの、って訊いてもいい?」
遠慮気味に尋ねられ、私は笑みを返した。
「もともとはひとりの男子が苦手だったんです。でも、気づいたら周りの男子全員が苦手になっていて、それからは一括して『男子が苦手』と思いこんでいたみたいです」
風間先輩はくっ、と笑った。
「ずいぶんと大雑把に括ったもんだな」
「そうですよね。今考えてみると、ちょっと色々申し訳ない気がします」
「これからは大丈夫そう?」
「……どうでしょう。少しずつ克服していきたいんですけど、三、四年間思い続けてきたことだから、先入観が強くって」
「じゃ、今みたいにゆっくり考えて先入観の払拭していけばいいと思うよ」
「はい。そうします」
鬼ごっこ大会は捕虜の人数が四十五人対三十一人で運動部の勝利で終わった――。
「今と何が違うの?」
「……何が苦手なのか明確になったから、でしょうか?」
「何が苦手だったの、って訊いてもいい?」
遠慮気味に尋ねられ、私は笑みを返した。
「もともとはひとりの男子が苦手だったんです。でも、気づいたら周りの男子全員が苦手になっていて、それからは一括して『男子が苦手』と思いこんでいたみたいです」
風間先輩はくっ、と笑った。
「ずいぶんと大雑把に括ったもんだな」
「そうですよね。今考えてみると、ちょっと色々申し訳ない気がします」
「これからは大丈夫そう?」
「……どうでしょう。少しずつ克服していきたいんですけど、三、四年間思い続けてきたことだから、先入観が強くって」
「じゃ、今みたいにゆっくり考えて先入観の払拭していけばいいと思うよ」
「はい。そうします」
鬼ごっこ大会は捕虜の人数が四十五人対三十一人で運動部の勝利で終わった――。