光のもとでⅡ
「自信なんて、持てない……。会えない日が続くと少しずつ不安が積み重なっていくもの」
「だったらさ、会いに行っておいで。会って話せば不安もなくなるだろうから」
 会いに行って何を話したらいいのかな。なんて言って会いに行けばいいのかな。
 付き合ってさえいれば理由なく会えるというのなら、その関係がとても羨ましく思える。
 ただ会いたくて、ただ側にいたくて――それに理由をつける必要がないのなら、そういう関係を望んでしまう。
 どんどん欲張りになっていく自分が怖い。欲しいものは増えていくばかりだ。

 自室に戻ってきてからは携帯と対峙することになる。
 ツカサに会うためには「連絡」というハードルを越えなくてはいけない。
「……会いたいから、っていう理由でかけていいのかな」
 携帯のディスプレイを見ているだけで時間は刻々と過ぎていき、あっという間に日付をまたぐ時間になってしまった。
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