光のもとでⅡ
「短冊、作りだしたら止まらなくて、こんなにたくさんあるの」
 ひとつひとつ手作りされた短冊は、数枚の和紙がコラージュされていてとてもかわいらしい。でも、ひとり一枚だとするとだいぶ余ってしまいそうだ。
「だから、願いごと、たくさん書いちゃいましょうね」
 真白さんに笑顔で言われたら、「はい」以外の返事はないように思う。
 私も果歩さんも声を揃えて「はい」と答え、何を書こうかな、と逡巡した。

 笹に飾りつけが終わったところへ楓先生とツカサが帰ってきて、まずは夕飯を食べましょうということになった。
 夕飯はお庭でのバーベキュー。
 意外なことに、楓先生が手際よくセッティングをしてくれ、最後の最後まで鉄板奉行だった。
 ほどよくお腹がいっぱいになったところで、真白さんが涼先生と楓先生、ツカサに短冊を渡す。と、楓先生と涼先生は短冊を受け取ったものの、ツカサだけが「俺はいい」と拒否した。
 思わず、
「ツカサは無欲なのね?」
「無欲って……」
「だって、私なんてこんなにたくさん書いたのよ?」
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