光のもとでⅡ
たぶん、楓先生は仕事が終わってから一度マンションへ戻り、ゲストルームへ寄ってからきたのだろう。
「私も聞きたいわ」
「私も聞きたいです」
真白さんと涼先生に言われて、私はハープを受け取った。
調弦を済ませてからハープを構える。
「それでは、即興で……」
柔らかな夜風が吹くお庭にハープの音が響く。
屋外でハープを弾くことなどめったにない。サラサラと音を立てる笹の葉と、ハープの音が共鳴して聞こえる。そんな音たちが新鮮で、自分もその響きを堪能しながら弦をはじく。
一番目を引き終わると、二番目には果歩さんと真白さんが歌を口ずさむ。
和やかな時間を過ごせば、最後には花火が待っていた。
楓先生も果歩さんも子どものようにはしゃいで花火を楽しむ。
一方、私は煙をまともに受けてケホケホと咽せ、目には涙が滲む始末。
「翠、それ――」
「え……?」
涙で視界がぼやけているため、ツカサが何を指して「それ」と言ったのかがわからなかった。
「こっち……」
手を引かれ、私は先導されるままについていった。
「私も聞きたいわ」
「私も聞きたいです」
真白さんと涼先生に言われて、私はハープを受け取った。
調弦を済ませてからハープを構える。
「それでは、即興で……」
柔らかな夜風が吹くお庭にハープの音が響く。
屋外でハープを弾くことなどめったにない。サラサラと音を立てる笹の葉と、ハープの音が共鳴して聞こえる。そんな音たちが新鮮で、自分もその響きを堪能しながら弦をはじく。
一番目を引き終わると、二番目には果歩さんと真白さんが歌を口ずさむ。
和やかな時間を過ごせば、最後には花火が待っていた。
楓先生も果歩さんも子どものようにはしゃいで花火を楽しむ。
一方、私は煙をまともに受けてケホケホと咽せ、目には涙が滲む始末。
「翠、それ――」
「え……?」
涙で視界がぼやけているため、ツカサが何を指して「それ」と言ったのかがわからなかった。
「こっち……」
手を引かれ、私は先導されるままについていった。