光のもとでⅡ
「ハナは私が見ていましょう。ハナ、おいで」
涼さんに抱え上げられたハナは、涼さんの口元をペロリと舐めて果歩ちゃんに視線を戻す。涼さんは、再度ハナが吼え始める前にリビングをあとにした。
「さっすがお義父さんだわ……」
果歩ちゃんの言葉に、「本当にね」と答えると、
「今日、涼先生もいらっしゃるんですね?」
翠葉ちゃんが不思議そうに首を傾げていた。
「毎年、七夕はお休みしてくれるんです」
「お義母さんとお義父さん、七夕に出逢ったんだって」
「わぁ、すてき……」
その言葉が素直に嬉しくて、私はにこりと笑んで席を立った。予め作っていた短冊を取りに行くと、後ろからこんな会話が聞こえてくる。
「翠葉ちゃんと司は? やっぱり学校で出逢ったの?」
「はい。高校の入学式の日に会ったんですけど、あとで知ったら、その日はツカサの誕生日でした」
「それもまたすごいね?」
ようやく笹の飾り作りが始まったものの、こんな話題が挙がっては手がお留守になってしまいそうだ。私が短冊を入れた箱を持って戻ると、
「わっ! かわいい! 私、このピンクの短冊いただいてもいいですか?」
すぐに手を伸ばしたのは果歩ちゃんだった。
涼さんに抱え上げられたハナは、涼さんの口元をペロリと舐めて果歩ちゃんに視線を戻す。涼さんは、再度ハナが吼え始める前にリビングをあとにした。
「さっすがお義父さんだわ……」
果歩ちゃんの言葉に、「本当にね」と答えると、
「今日、涼先生もいらっしゃるんですね?」
翠葉ちゃんが不思議そうに首を傾げていた。
「毎年、七夕はお休みしてくれるんです」
「お義母さんとお義父さん、七夕に出逢ったんだって」
「わぁ、すてき……」
その言葉が素直に嬉しくて、私はにこりと笑んで席を立った。予め作っていた短冊を取りに行くと、後ろからこんな会話が聞こえてくる。
「翠葉ちゃんと司は? やっぱり学校で出逢ったの?」
「はい。高校の入学式の日に会ったんですけど、あとで知ったら、その日はツカサの誕生日でした」
「それもまたすごいね?」
ようやく笹の飾り作りが始まったものの、こんな話題が挙がっては手がお留守になってしまいそうだ。私が短冊を入れた箱を持って戻ると、
「わっ! かわいい! 私、このピンクの短冊いただいてもいいですか?」
すぐに手を伸ばしたのは果歩ちゃんだった。