光のもとでⅡ
 結果、レッスンは日曜日に通うことになった。
 午前十一時から十二時までソルフェージュを学び、お昼を挟んで午後一時から二時半までピアノのレッスンを受ける。お昼ご飯は柊ちゃんが一緒に食べようと誘ってくれた。
 お教室が決まって、さらには友達までできて、なんだかとても得をした気分だ。あとで、もう一度佐野くんにお礼を言わなくちゃ……。
「ハープのレッスンなんだけど、こっちは特別依頼になるかなぁ……」
「特別依頼……?」
「そっ。うちの教室にはハープがないから、レンタルで借りて新たに専用の先生を雇うことになる。もしくは、仲介。先生の紹介だけをして、レッスンは翠葉ちゃんの家。それだと、楽器のレンタル代や場所代がかからないからここを使うよりも安く上がるよ?」
「……それじゃ、ハープは仲介依頼でお願いします。自宅まで来てもらえるなら、火曜日と金曜日、日曜日以外なら何曜日でも大丈夫です」
「了解っ!」
 柊ちゃんは条件を紙に記すと料金の説明をしてくれ、最後に入会書を用意してくれた。
「お月謝はどうする? 持ってくる方法と引き落としと選べるけれど」
「引き落としでお願いします」
 かばんから自分名義の通帳と印鑑を取り出すと、
「えっ!? 翠葉ちゃん、自分でお月謝払うのっ?」
「うん……。そのほうが一生懸命になれそうでしょう?」
「……えらいなぁ。私も見習わなくちゃ……」
 そんな話をしながら必要な手続きはすべて終えることができた。
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