光のもとでⅡ
「佐野くん?」
「いや……それ……」
佐野くんが、「それ」と指したのは聖くんと握手を交わしている手だった。
「「ん?」」
聖くんと柊ちゃんが同時に疑問を唱える声をあげると、
「いや、いいんだけど……」
佐野くんは、「なんでもない」とでも言うかのように手を下げ、視線を逸らしてしまった。
けれど、私だけは佐野くんが何を言おうとしていたのかがわかる。
私はす、と息を吸い込み、
「……あのね、これからはもう少し大丈夫になろうと思って」
急に何もかもクリアできるわけじゃない。きっと、聖くんが佐野くんの従兄であったり友達でなければ握手はできなかっただろう。それでも、変わりたい、という意志はあるのだ。
「大丈夫なの……?」
「うん……大丈夫なはずなの。飛翔くんと話して、本当は何が苦手だったのかを見つめなおすきっかけをもらったから……。大丈夫なはずなの」
たぶん、こういうところから慣れていけばいいのだと思う。そしたら、いつしか誰の手であっても大丈夫になる。今はそれを信じているだけ。
「いや……それ……」
佐野くんが、「それ」と指したのは聖くんと握手を交わしている手だった。
「「ん?」」
聖くんと柊ちゃんが同時に疑問を唱える声をあげると、
「いや、いいんだけど……」
佐野くんは、「なんでもない」とでも言うかのように手を下げ、視線を逸らしてしまった。
けれど、私だけは佐野くんが何を言おうとしていたのかがわかる。
私はす、と息を吸い込み、
「……あのね、これからはもう少し大丈夫になろうと思って」
急に何もかもクリアできるわけじゃない。きっと、聖くんが佐野くんの従兄であったり友達でなければ握手はできなかっただろう。それでも、変わりたい、という意志はあるのだ。
「大丈夫なの……?」
「うん……大丈夫なはずなの。飛翔くんと話して、本当は何が苦手だったのかを見つめなおすきっかけをもらったから……。大丈夫なはずなの」
たぶん、こういうところから慣れていけばいいのだと思う。そしたら、いつしか誰の手であっても大丈夫になる。今はそれを信じているだけ。