光のもとでⅡ
 数秒間沈黙の間があり、それを破ったのは聖くんの声だった。
「カフェインが摂れないのって体質か何かでしょ? それって仕方ないことだから謝らなくていいと思うよ。それから、敬語で話すのって御園生さんの癖?」
「え、あ……」
「なんか硬いっていうか、他人行儀っていうか、ちょっと遠くに感じる。……俺ら、タメでしょ? できれば、敬語じゃないほうが嬉しいな」
 聖くんが言っていることがわからないわけではない。確か、出逢ったばかりの頃、秋斗さんにも同じようなことを言われた。
 きっと、聖くんは思ったことを口にしてくれたのだろう。それなら、私も思ったことを口にすればいいのかな。
「……うん。でも、コーヒーを淹れようとしていたところをハーブティーに変えてもらったから、お礼は言わせてもらえる?」
「それなら喜んで」
「ありがとう。それから、敬語は……努力します」
「って、言ってるそばから敬語だよ」
 柊ちゃんに指摘されて、慌てて口元を押さえた。そしたら、その場にいた三人がくつくつと笑いだす。そんな三人を見回すと、なんだか自分もおかしく思えてきて、最終的には一緒になって笑っていた。
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