光のもとでⅡ
「そんなたいそうな名前じゃないよ。名前でも苗字でも、どちらでも好きなほうで呼んで?」
「学校ではなんて呼ばれてるの?」
「んー……翠葉、翠葉ちゃん、翠ちゃん、御園生さん、御園生っち……? あ、あとは翠」
「はい、最後のは却下ー」
「「え?」」
私と聖くんが佐野くんを見ると、
「スイだけは特別でしょ? あれは藤宮先輩だけの専売特許。間違いなく、ほかの男がスイって呼んだらあの先輩いい顔しないってば」
「……そう、かな?」
「絶対にそう」
確か、以前唯兄と久先輩にも似たり寄ったりなことを言われた記憶がある。
複数の人に同じことを言われたら、取り下げずにはいられない。
「なんか、だめみたいなので、スイだけはなしの方向で……」
「何なにっ!? その藤宮先輩って翠葉ちゃんの彼氏なのっ?」
柊ちゃんが右脇からピョコ、と顔を覗かせた。
小動物っぽい動きに、衝動的に頭を撫でたくなる。
我慢できずに、キラキラと目を輝かせている柊ちゃんの頭を三回撫でた。
「学校ではなんて呼ばれてるの?」
「んー……翠葉、翠葉ちゃん、翠ちゃん、御園生さん、御園生っち……? あ、あとは翠」
「はい、最後のは却下ー」
「「え?」」
私と聖くんが佐野くんを見ると、
「スイだけは特別でしょ? あれは藤宮先輩だけの専売特許。間違いなく、ほかの男がスイって呼んだらあの先輩いい顔しないってば」
「……そう、かな?」
「絶対にそう」
確か、以前唯兄と久先輩にも似たり寄ったりなことを言われた記憶がある。
複数の人に同じことを言われたら、取り下げずにはいられない。
「なんか、だめみたいなので、スイだけはなしの方向で……」
「何なにっ!? その藤宮先輩って翠葉ちゃんの彼氏なのっ?」
柊ちゃんが右脇からピョコ、と顔を覗かせた。
小動物っぽい動きに、衝動的に頭を撫でたくなる。
我慢できずに、キラキラと目を輝かせている柊ちゃんの頭を三回撫でた。