光のもとでⅡ
「翠葉ちゃん……柊は質問の答えが欲しいです」
「あ……あの、えと……はい。私をスイと呼ぶ人はお付き合いしている人です」
 こんなふうにツカサのことを話したことはなくて、なんだか妙なドキドキ感が胸を襲う。
「藤宮先輩って言うからには、藤宮財閥の人間?」
 聖くんが佐野くんに尋ねると、「ですです」と佐野くんは短く答えた。
「その人、全国模試がトップの人だよねっ!?」
「そっ」
「うちの先輩がさ、満点なんて採られたら勝ちようがない、っていつも嘆いてるんだ」
「そうなん? 藤宮先輩は学内テストもいつも満点。失点したことが一度もなくて、長期休暇中の課題を一度もやったことのない超人。俺から言わせたら宇宙人。因みに、御園生も文系以外は満点採る嫌みなやつだよ」
 佐野くんの言うことは間違ってはいないけれど、若干ひどい紹介のされ方な気がしてしまう。
「翠葉ちゃんは理系なの?」
「どちらかというと理系のほうが得意、っていうだけだよ」
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