光のもとでⅡ
「聖くんもピアノを弾くのに音大じゃないんだね」
何気なく口にした言葉だった。すると、
「音楽の道に進むか悩んだ時期はあったよ。でも、やっぱり音楽を仕事にしたくなくてさ」
その言葉は、私の胸にチクリと刺さった。
「御園生さん?」
「翠葉ちゃん?」
聖くんと柊ちゃんに顔を覗き込まれ、私は苦笑を返す。
「あのね、私、音大に行ったとしても、その先にピアノの講師になりたいとかハープの講師になりたいとか、そういうことは全く考えていないの」
「それは奏者になりたいということ?」
聖くんに訊かれて首を振った。
「違うの?」
「うん。まだ、将来なりたいものが決まっていないの。目的もなく進学なんて考えられないから、本当は進学するつもりはなかったのだけど、両親が好きなことを勉強していいって言ってくれて……。それで好きなものを並べて悩んでいる状況」
言いながら、藤宮だけが特別なわけではなく、ほかの高校に通っている人も、将来のことをきちんと見つめて進路を決めているのだな、と痛感する。
みんなはいったいいつから進路を意識し始めたのだろう。
何気なく口にした言葉だった。すると、
「音楽の道に進むか悩んだ時期はあったよ。でも、やっぱり音楽を仕事にしたくなくてさ」
その言葉は、私の胸にチクリと刺さった。
「御園生さん?」
「翠葉ちゃん?」
聖くんと柊ちゃんに顔を覗き込まれ、私は苦笑を返す。
「あのね、私、音大に行ったとしても、その先にピアノの講師になりたいとかハープの講師になりたいとか、そういうことは全く考えていないの」
「それは奏者になりたいということ?」
聖くんに訊かれて首を振った。
「違うの?」
「うん。まだ、将来なりたいものが決まっていないの。目的もなく進学なんて考えられないから、本当は進学するつもりはなかったのだけど、両親が好きなことを勉強していいって言ってくれて……。それで好きなものを並べて悩んでいる状況」
言いながら、藤宮だけが特別なわけではなく、ほかの高校に通っている人も、将来のことをきちんと見つめて進路を決めているのだな、と痛感する。
みんなはいったいいつから進路を意識し始めたのだろう。