光のもとでⅡ
 設定が済むと携帯は窓際のテーブルに置かれ、ツカサは戻ってくると顔中にキスを降らせた。
 額、こめかみ、目の縁、瞼、頬、耳たぶ、首筋――最後に唇を塞がれ、いつものようにキスを受けていると、ツカサの舌が進入してきた。
 そんなキスをツカサにされるのは初めてで、ツカサの胸に添えていた手に力が入る。
 執拗に歯を舐められ歯茎を舐められ、舌を絡め取られては吸い付かれる。
 力が抜けて後ろのベッドに尻餅をついてもなお、ツカサはキスをやめなかった。
 角度を変えては何度も何度も口付けられる。しだいに、ふたりの息が上がり始めた。
 少し荒っぽく感じるキスも初めて。でも、不思議と怖くも嫌でもなかった。求められることを嬉しいとさえ思えた。
 キスをされたままベッドに押し倒されたときにはびっくりしたけれど、ツカサは約束どおりキスしかしなかった。
 首筋や鎖骨、胸元にキスをされるのはひどく恥ずかしかったけれど、決して嫌ではなかったし怖くもなかった。
 次はどこにキスをされるのか、とドキドキしていた。
 ツカサもドキドキしているのかな……。
 目を開けてツカサを見ると、「嫌?」と訊かれる。私は首を振り、
「……すごく恥ずかしくて、ドキドキしているのだけど……ツカサは?」
 小さな声で尋ねると、
「確認したければどうぞ」
 左手首を差し出された。
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