光のもとでⅡ
 指を添えると、いつもより早い脈を感じることができた。
「満足?」
 訊かれて、私は照れ笑いを返した。
「嫌じゃない?」
 首筋にキスをされながら訊かれ、
「キスなら大丈夫」
 でも、不安に思うことはある。
「ツカサは……? ツカサはこれで満足できる……?」
 ツカサが感じている欲求は私にはわからないものだから、訊くしかない。
 ツカサはキスをやめて私の目をじっと見下ろす。
「……デリカシーの欠片もないことを訊く」
「え……?」
「秋兄と……秋兄とはどこまでの関係?」
「……どこまでの関係って……何?」
「……つまり、キス――それ以上の関係なのか、ってこと」
 私は絶句した。
 まさかそんなことを尋ねられるとは思っていなかったし、ツカサがそんなことを気にしているとは思ってもみなかったから。
「どこまで?」
 問い質す視線は少し厳しく鋭いものだった。
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