光のもとでⅡ
「意味がないとは言わないけどさ、言葉だけじゃ不安が拭えないことってない? 御園生が抱えているトラウマだってそういう類じゃない?」
私の抱えているトラウマ――つまり、漠然とした不安のことだろうか。
進路のことであったり友達に関すること。それらは確かに言葉だけではどうにもできないものだ。
そういったものを前にしたとき、私は何を求めただろう? 何に縋っただろう?
人間関係の不安にもがき苦しみ手を伸ばした先にあったものは――人のぬくもり。
あのとき、ツカサは毎日電話しようかとか、毎日一緒にお弁当をたべようかとか、色んな案を挙げてくれた。
「言葉以外にも色々あるでしょ? 御園生が藤宮先輩にしかしないことをしてあげればいいんじゃん?」
私がツカサにしかしないこと……?
……手をつなぐ、とか?
「御園生、今何考えた?」
「手をつなぐ……?」
「思考回路がMade in 御園生だよね……」
佐野くんは、たはは、と乾いた笑いを見せる。
「手をつなぐのなんて友達とだってするだろ? 現にさっきだって俺と手つないでたし。あくまでも、先輩としかしないこと」
「……ぎゅっとする?」
「それはいい線いってると思うけど……」
私の抱えているトラウマ――つまり、漠然とした不安のことだろうか。
進路のことであったり友達に関すること。それらは確かに言葉だけではどうにもできないものだ。
そういったものを前にしたとき、私は何を求めただろう? 何に縋っただろう?
人間関係の不安にもがき苦しみ手を伸ばした先にあったものは――人のぬくもり。
あのとき、ツカサは毎日電話しようかとか、毎日一緒にお弁当をたべようかとか、色んな案を挙げてくれた。
「言葉以外にも色々あるでしょ? 御園生が藤宮先輩にしかしないことをしてあげればいいんじゃん?」
私がツカサにしかしないこと……?
……手をつなぐ、とか?
「御園生、今何考えた?」
「手をつなぐ……?」
「思考回路がMade in 御園生だよね……」
佐野くんは、たはは、と乾いた笑いを見せる。
「手をつなぐのなんて友達とだってするだろ? 現にさっきだって俺と手つないでたし。あくまでも、先輩としかしないこと」
「……ぎゅっとする?」
「それはいい線いってると思うけど……」