光のもとでⅡ
 もしかしたら――不安だから性行為を求められているのだろうか。
 不安だから、つながりを求められているのかもしれない。
 だとしたら、それを何度も拒んでいる時点で、ずいぶんと不安を募らせているのではないか……。
 でも、まだ勇気や覚悟が不十分すぎて、今すぐどうこうできる気はしない――。
 その場でうんうん唸っていると、
「そういえば、今日先輩は? もともと海とか来そうなタイプには見えないけど」
 確かに、海へ行くといって参加するタイプには見えない。でも、だからこの場にいないわけではない。
「インターハイが終わってからすぐ、車の教習所へ合宿に行ったの」
 佐野くんは目を丸くして驚いていた。
「私もツカサに聞くまで知らなかったんだけど、十八歳になると免許取れるのね?」
「そっかそっか……。車の免許かぁ……なんか大人って感じだよね?」
「そうだね」
「こうやってできることが増えて大人になっていくのかな?」
 その言葉にふと思う。
 小学生のころ、高校生の蒼兄はとても大人に見えた。でも、実際に自分が高校生になってみると、大して大人になった気はしない。
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