光のもとでⅡ
「いやいい、改めて言う」
 ツカサは私に向き直ると一歩踏み出した。私はその分後ろへ下がる。
「俺と付き合ってほしいんだけど」
 その言葉に頭が真っ白になる。
「意味は――彼氏彼女、恋人、カップル、それらに属するものと同義。……理解した?」
 コクコクと頷いたものの、理解が追いついているかは怪しい限りだ。
「……なら返事」
 今度は物理的に追い詰められた。逃がさない、とでも言うように腕を掴まれる。
「付き合ったら……そしたら何もなくても電話していいの? 会いたいって言っても迷惑じゃない?」
「別に何もなくても電話かけてきてかまわないし、会いたいって言われてとくに困ることもない。ほかには? 何かあるなら今全部言ってほしいんだけど」
「電話しても話す内容がなかったらどうしよう?」
「……何度も言うけど、携帯って通信機器だからそのあたりは考慮してほしい」
 そう言われると思ったからこそかけられなかったわけで……。
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