光のもとでⅡ
どうしよう……。このまま行くと、「携帯電話は通信機器だから」と言われてしまう。
次の話題を探していると、
『今日、海水浴行ったの?』
「行ったっ」
慌てて答えたら声が大きくなってしまった。
手に汗を握る状態で、ツカサの次の言葉を待ち受けていると、
『そういえば、翠って泳げるの?』
投げかけられた問いに撃沈する。でも、話題がまったくないよりはいいのかもしれない。
「……ツカサには知られたくなかったのに」
『あぁ、泳げないんだ?』
「でもっ、今日、浮けるようになったし、息継ぎはできないけど泳げたものっ」
『息継ぎができないって、それ泳げたうちに入るの?』
「意地悪……」
すると、携帯の向こうからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「……笑った」
『あ、悪い。翠が拗ねてるのが目に浮かんだ』
「違う。どうしてっ? どうして自然に笑っているときはいつも電話で、ツカサが目の前にいないのっ? ずるいっ」
『ずるいって言われても……』
「……会いたいな」
『合宿始まってまだ五日なんだけど』
「わかっているもの。あと九日は会えないのでしょう?」
『……三十日、藤倉に帰ったらマンションに顔出す』
「うん……」
次の話題を探していると、
『今日、海水浴行ったの?』
「行ったっ」
慌てて答えたら声が大きくなってしまった。
手に汗を握る状態で、ツカサの次の言葉を待ち受けていると、
『そういえば、翠って泳げるの?』
投げかけられた問いに撃沈する。でも、話題がまったくないよりはいいのかもしれない。
「……ツカサには知られたくなかったのに」
『あぁ、泳げないんだ?』
「でもっ、今日、浮けるようになったし、息継ぎはできないけど泳げたものっ」
『息継ぎができないって、それ泳げたうちに入るの?』
「意地悪……」
すると、携帯の向こうからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「……笑った」
『あ、悪い。翠が拗ねてるのが目に浮かんだ』
「違う。どうしてっ? どうして自然に笑っているときはいつも電話で、ツカサが目の前にいないのっ? ずるいっ」
『ずるいって言われても……』
「……会いたいな」
『合宿始まってまだ五日なんだけど』
「わかっているもの。あと九日は会えないのでしょう?」
『……三十日、藤倉に帰ったらマンションに顔出す』
「うん……」