光のもとでⅡ
「翠葉ちゃん?」
「っきやぁっ――」
目の前に秋斗さんの手が伸びてきて驚く。
「な、なんでしょう……?」
「なんでしょうじゃないわよ? 食事中に何ぼーっとしているの? ご飯が冷めちゃうからって秋斗くんが声をかけてくれたのよ?」
お母さんに言われてなるほど、と思う。
「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていて……」
「リィ、ご飯を食べるときは?」
「ご飯を作ってくれた人に感謝して食べる」
「よくできました。なら今は、考え事は置いといてご飯を食べるべきだよね?」
唯兄に諭され、改めてお母さんと栞さんに謝った。
食後のお茶はみんなとはいただかず、ひとり自室へ戻って飲むことにした。
夏休みの宿題を見返しながらも、頭の容量を占めるのはツカサとの約束。
家族も一緒にご飯を食べる分にはかまわないと思うけれど、
「マンションの通路やエレベーターでばったり会っちゃったらどうしよう……」
「誰と?」
その声に心臓が止まりそうになる。
視線を上げると、ドア口には秋斗さんが立っていた。
「っきやぁっ――」
目の前に秋斗さんの手が伸びてきて驚く。
「な、なんでしょう……?」
「なんでしょうじゃないわよ? 食事中に何ぼーっとしているの? ご飯が冷めちゃうからって秋斗くんが声をかけてくれたのよ?」
お母さんに言われてなるほど、と思う。
「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていて……」
「リィ、ご飯を食べるときは?」
「ご飯を作ってくれた人に感謝して食べる」
「よくできました。なら今は、考え事は置いといてご飯を食べるべきだよね?」
唯兄に諭され、改めてお母さんと栞さんに謝った。
食後のお茶はみんなとはいただかず、ひとり自室へ戻って飲むことにした。
夏休みの宿題を見返しながらも、頭の容量を占めるのはツカサとの約束。
家族も一緒にご飯を食べる分にはかまわないと思うけれど、
「マンションの通路やエレベーターでばったり会っちゃったらどうしよう……」
「誰と?」
その声に心臓が止まりそうになる。
視線を上げると、ドア口には秋斗さんが立っていた。