光のもとでⅡ
「雅は藤宮とは一線を置いているからね、そういう意味でも系列ホテルにも泊まらない徹底振りなんだ」
「そう、なんですね……」
 でも、お会いできるならお会いしたい……。
「あの、日時を教えていただけたらひとりで行きます」
 覚悟を決めて口にすると、秋斗さんはくつくつと笑いだした。
「冗談だよ」
「え?」
「雅がプレジデントに泊まるのは本当だけど、問題があるなら雅をこっちに連れてくる。翠葉ちゃんがかまわないならここで会うも良し。そこらへんは雅と決めるといい」
 ほっとしていると、
「ね、司になんて言われたの?」
 実ににこやかな表情で、興味津々に訊かれる。
 これは言ってもいいのかな……。
 少し不安に思いながら、伝えることで秋斗さんがその行動を回避してくれることを望みつつ、
「秋斗さんとふたりきりになることと、抱きしめられたり、キスをされること。それだけはやめて、って……」
「そっか……。じゃ、翠葉ちゃんに避けられないように気をつけないとね」
 と、まるでなんてことないように口にする。
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