光のもとでⅡ
「そういうの、良くないんだろ?」
「……そうだった。違うことを考えているとどうしても忘れがちで……。サザナミくん、ありがとう」
言って、今度はゆっくりと立ち上がった。そして、いそいそと教室を出て階段を下る。
二階からテラスへ出ると、そこは恐ろしいほどに暑かった。
まだ九月頭。テラスは鉄板のように熱されていて、部活前の人たちですら、パラソルが作る日陰へと逃れている。
必然と、部室棟へつながる階段付近のテーブルが占拠れているため、自分が日陰に入れる場所はなかった。
炎天下で立ったまま待っていると、背後から声をかけられた。
「翠?」
振り返ると、眉間にしわを寄せたツカサが立っていた。
「こんな暑い場所に立っているな」
「でも、ツカサに会いたくて」
「だから、会いたいなら携帯を使えって何度言ったらわかる?」
「……だって、電話しちゃったらその場で言ってしまいそうだったんだもの」
「何を」
呆れた顔をしたツカサは私の頭に手を乗せる。
「……熱いし。とりあえず移動」
ツカサは私の背を押して図書室へ向かった。
「……そうだった。違うことを考えているとどうしても忘れがちで……。サザナミくん、ありがとう」
言って、今度はゆっくりと立ち上がった。そして、いそいそと教室を出て階段を下る。
二階からテラスへ出ると、そこは恐ろしいほどに暑かった。
まだ九月頭。テラスは鉄板のように熱されていて、部活前の人たちですら、パラソルが作る日陰へと逃れている。
必然と、部室棟へつながる階段付近のテーブルが占拠れているため、自分が日陰に入れる場所はなかった。
炎天下で立ったまま待っていると、背後から声をかけられた。
「翠?」
振り返ると、眉間にしわを寄せたツカサが立っていた。
「こんな暑い場所に立っているな」
「でも、ツカサに会いたくて」
「だから、会いたいなら携帯を使えって何度言ったらわかる?」
「……だって、電話しちゃったらその場で言ってしまいそうだったんだもの」
「何を」
呆れた顔をしたツカサは私の頭に手を乗せる。
「……熱いし。とりあえず移動」
ツカサは私の背を押して図書室へ向かった。