光のもとでⅡ
 話をできる体勢になったからといって、雅さんはすぐその話題を持ち出すことはなかった。代わりに、一緒に運び込まれた荷物を振り返る。
 そのうちのひとつに手を伸ばし、
「これは帽子。翠葉さんの頭は鉢が小さそうだからキッズサイズを選んだのだけ、どどうかしら?」
 雅さんに渡された丸い箱を開けると、シンプルな麦藁帽子が入っていた。
 鉢周りに使われているリボンが焦げ茶で落ち着いた印象を受ける。
 実際にかぶってみると、自分の頭ぴったりのサイズだった。
「ぴったりみたいね、良かった」
 雅さんは次から次へと包みを取り出す。
 リネンのさらっとした手触りのワンピースにアンティーク調のアクセサリー。籐でできたバッグはとても丁寧に作られたもので、引っかかりを覚える場所がない。リネンのハンカチには、私のイニシアルが刺繍されている。ウェッジソールのサンダルと一緒に出てきたのはフリルがかわいらしい靴下。それらはすべてトータルコーディネートされていた。
「これはアンティークビーズ。ガラスが好きって秋斗さんから聞いていたから、見かけるたびに少しずつ買っていたの」
 透明なケースに入れられたそれらを見て息を呑む。
 そのくらいにかわいくもきれいなガラスビーズが等間隔に収納されていた。
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